その日も、霧雨魔理沙はアリス虐めに余念がなかった。

 

叩いたり蹴ったりは当たり前で、髪の毛をわしづかみにして

振り回したり、地面や立ち木にたたきつけたり...

 

挙句の果てには髪の毛に火をつけようとさえした。

 

日々、エスカレートしていく、魔理沙によるアリス・

マーガトロイドいぢめ...

 

魔理沙は思う。

 

「こいつ(アリス)ってば、キモイんだよ!

 私が宴会で飲んでるときも、視野の片隅で何か蠢くもの

 があると思うとこいつが隠れてる。普段も、どこからか視線を

 感じると、木の陰からコイツが見ている、何か話しかけて

 くるわけでもなし、不気味なんだよ!!」

 

「それに、こいつ、いくらいぢめても、翌日にはなにごともなかった

 かのようにまた付き纏ってくる、いぢめられて喜んでるんじゃねぇ

 のか?」

「うわ、きしょい!! マゾおんな!! マゾンナ!!!!」

 

「このあいだも、あんまりしつこいから、アリスに重しをくくりつけて

 湖に沈めて、「せっかくだから」アリスの家の遺品を戴いてやろうと

 すぐにアリスの家に侵入しようとしたら、家の中にアリスがいて、

 何事もなかったかのようにお茶を飲んでいやがる!」

 

「なーんてこったーぃ!!」(ポパイ風に)

 

「私は、自分の頭がおかしくなったのかと思って、アリスを沈めた

 湖に引き返すと、暗い水底にどんよりと、アリスの金髪の頭が

 沈んでいるのがうすぼんやり見えた...」

 

「死体とか死人とか怨念とかの恐怖以上に、自分の頭がおかしく

 なったのではないかという恐怖が勝り、アリスを...アリスの

 体を水底から引き上げてみると、確かにアリスだ、アリスの死体だ。」

 

もともと白かった皮膚が、古くなったホルマリン漬けの標本みたいに

やや黄色身と、場所によっては青黒さをおびた生気のない白に

変色している。

 

ぬれた服がぴっちりと体に張り付いて、アリスのボディラインが露わ

になっている。(ほっそりしているけど、結構筋肉質だ)

 

鼻筋が通った彫りの深い顔立ちからは表情が消え、もともと人形

じみた顔がますます作り物のように見える。

 

その姿は、まるで磨きこまれた大理石のオルフェウス像か、

少年ダビデの彫像のよう。

 

魔理沙はアリスの死体を呆然と見ていた。見とれていた。

 

他に、何をどうしていいのかわからなかったので、ただアリスの

死体を眺めていた。

 

すると、どうしたことだろう...5分程度経過したころか、

アリスの指先がぴくぴく動き始めたかと思うと、げほげほと

水を吐き出して、アリスは上半身を起こしたのだ。

 

呆然と見つめるだけの魔理沙に対し、呼吸の落ち着いたアリスが

言った言葉は

「魔理沙、来てくれたのね! きっと迎えに来てくれると信じていたわ!!」

だった。そして、満開に咲いた薔薇のような微笑...

 

精神が崩壊しかけた魔理沙は無言でアリスの手を引いて、無理やり

アリスの家に向かった。

 

なぜか、アリスの家には、先ほどまでお茶を飲んでいたアリスはいなかった!

 

魔理沙はアリスに何事か訊こうとしたが、何をどう訊いていいのかわからな

かった。アリスは、ただ、キョトンとした顔で、魔理沙の落ち着かない様子を

見ていた。

 

魔理沙は、何も言わずにふらふらとアリスの家を出て、自分の家に帰った。

 

その翌日から、魔理沙によるアリスいぢめはさらにエスカレートしていった。

常軌を逸した、暴君による見せしめの処刑すらも色あせるほどの苛烈なる

いぢめ!!

 

なぜ、こんなに、魔理沙はアリスをいぢめるのか? いぢめたがるのか?

 

魔理沙は、アリスをいぢめながら思う...

 

「私は子供のころ、「普通の女の子」になりたかった!

 普通の女の子になって、人形遊びがしたかった!

 でも、霧雨家の人間は、特別だから、普通の女の子の

 ような、人形遊びなどしてはいけないと言われた。

 服装も、黒を基調とした簡素なものに限られていた」

 

「「霧雨家の人間にとって、魔法は力の象徴!

 他の家の普通の女の子とは違う」とばかり

言われて育てられた...普通の女の子と遊んだ

だけで叱られた」

 

「私は母の顔を知らない、母は死んだと思っていたが、

 父からは母の話を聞いたことがない、家の中にも、

 母の形見らしきものは何一つ残されていなかった。

 昔はそれが当たり前だと思っていた」

 

「父は、言ってもどうにもならないことを言うほど愚かな

 人間ではなかったが、事あるごとに「女性でも立派な

 魔導師になる人間はいる」と言っていた。そういう

 言葉の裏側に、私が男だったらよかったのにという

 残念さが見えてしまっていることに気づくほど賢くも

 なかった」

 

「そして、私は、本当は黒く真っ直ぐな髪を脱色し、

 ウェーブをかけて金髪に近い色にしている。

 外見だけでも、立派な西洋魔術師に見える

 ようにしたいからだ」

 

「...しかし、しかし! なんだ!!

 この「アリス・マーガトロイド」という女は!! この妖怪は!!」

 

「魔術師・魔導師のくせに、色とりどりのフリルやリボンのついた

 チャラチャラした服を着やがって!」

「いいトシこいて、人形なんか持ち歩きやがって!!」

「男がみたらほおっておかないような、いかにも女の子らしい

 カワユイかっこしやがって!!私がそんな服を着ても、

 似合わないし、なにより耐える女、守ってやりたくなる女の

 フリなんかしやがって!!ホントは強いのに、わざと負けたり、

 いぢめられたり...」

「金髪、青い目、白い肌」

 

「私の欲しかったモノ、持っていないモノ、手に入っても、すぐに

 壊してしまいたくなるモノを全部持っているアリスが憎い!!」

 

そして魔理沙はアリスをいぢめる。

 

「アリスをいぢめていると、腹の奥が、なんかぞくぞく・むずむず

 するんだよナ」

「なんだろう、この、アリスをイヂメているときに感じる、自分の内圧が

 どんどん昂ぶっていく感じ」

「内圧がどんどん高まるのに、出口がなくて、切羽詰った、やり場の

 ない気持ち、もう、爆発しそうだ!!」

「焦りにも似た、尻に火がついているような、なにかしなくちゃならない

 のに、それがなんなのかわからない気持ち」

 

いや、わかっている。私は、本当は何をしたいのか...うすうす

気づいている。

 

父は私が男だったらよかったのにと思っていた。男と女と、そんなに

違うのか?子供のころはよくわからなかった。今でもわからないことは

わからない。

 

でも、わかる。

 

私が男だったら...私が男だったら...

ナニをドウしたいか...

 

アリスに、口に出すのもおぞましいような、考えるだけで破廉恥な、

野蛮で愚劣で低俗なコトをしてみたい!!

 

私の出口のない内圧を、熱くたぎるマグマを、そのときこそ

アリスに...アリスの中心に...思う存分に...

力の限り打ち込んでみたい。連射してみたい!

 

けれども、その願いは適えられることはない...決して...永遠に...

 

...そして今日も、魔理沙によるアリスイヂメがエスカレートして

いく...

 

いったい、いつまでそんな愚劣なゲェムが続くのか...

それは「神のみぞ知る」ことなのか?

 

...いや、違う... それは...

「死が二人を別つまで」

 

 

以上。今書いた。語尾や人称が統一されてないところはカンベンして!

 

ってコトで、ちょっといぢわる系魔理沙にならないか?

ムズムズしながらアリスをイヂメる魔理沙の、

アリスを見る目つきが欲しい。

(アリスは画面外に居る...あるいは、魔理沙に見られている

 アリス視点の絵というコトで)

 

すまん、言うことがコロコロ変って。

 

でも、どうしても貰った絵でTシャツを作るのには、

なんか足りない気がしたから。

 

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